おもろいクルマづくり

おもろいクルマづくり#5【軽量化その1】

おもろいクルマづくりを掲げて会社を作った訳ですが、それは自分一人ではもちろん出来ないし、自分だけで完結する手法では考えていません。
みんなとクルマを囲んであーだこーだ言って、自分たちで考えて組んで試して失敗して、時にはケンカしながらもワンチームでコツコツと作り上げていくものだと思っています。

過去に0からのクルマづくりを経験させてもらって、その大変さ難しさと同時にエンジニアとしてのやりがいを強く感じました。
その経験から「仲間と刺激的でおもろいクルマづくり」とは”0からのクルマづくり”をイメージしています。ただそれはとてつもなく大きな大きな目標で、まだそこへの道筋すら見えていません。今は、野球で例えるなら目標とする大会のトーナメントも始まっていない段階で、試合に出るための基礎練習をしている時期だと思います。

今回取り組んでいるベース車を使った軽量化は、弊社が目指す”刺激的でおもろいクルマ”の方向性を確かめるためのトライであり、クルマづくりの基礎練習のような感覚です。衝撃を受けたあの760kgの車両の感覚を再現できるかどうか、実車で試してみてクルマからいろいろ感じ取りたいと思います。

前置きが長くなりましたが、軽量化その1の話です。
軽量化目標760kgに対して、今回のベース車をコーナーウェイトゲージで計測するとガソリン満タンで816.5kg。実測結果は車検証記載の830kgより若干軽い値でした。この結果より816.5−760=56.5kgの減量が第一ステップとなります。もともとぜい肉が少ない今回のベース車だけに、なかなか酷なダイエット。

現時点ではまだストック状態から構造を変えたくないので、そこも意識しながら軽量化部品をリストアップ。
吸遮音材、表皮、車載工具、パンク修理キットなどの除去。D席シート、バッテリー、ボディカウル、ホイールなどの部品軽量化。幌やP席などの一時的な部品外し、ガソリンも半分以下まで減らすなどの案もリストアップ。

コツコツと部品を外しては重量測定を繰り返し、軽量化アイテム積み上げ結果は瞬間最大で−80kg程度の減量見込みに。
皮算用的なアイテムも一部含まれてるので最終的な目減りは覚悟してるものの、積み上げ値としてはなかなか魅力的な数字になりました。

ちなみにこの軽量化、クルマづくりというより研究開発に近いイメージです。

760kgを実現したら本当に以前試乗した車両と同じ感覚になるのか、軽量化前と比べてどんな変化があるのか、鈍感な自分では760kgよりももっと軽量化しないと変化を感じないのか、車重だけでなく重心位置の変化はどう感じるのかなど、興味は尽きません。

長年OEMやベンチャーで車両設計をしてきましたが、”軽量化による体感差”だけを切り口に実車で比較検証する機会はほぼありませんでした。個人的には昔から非常に興味があった切り口です。
現在、各種軽量化部品や素材を発注し納品および製作待ち。いくつかの企業様にもお力添えいただき、ここから3ヶ月程度で初期評価まで持っていければと思っています。