保安基準適合#1【試作車の公道走行のために越えるべき壁とは?】

「ナンバー取得」というハードルと突破口


「新しいアイデアを実車に搭載して公道走行して鍛えたい。」
「試作車は作ってもらったものの、公道走行ができず困っている」

と、部品メーカー様からお問い合わせいただくことが増えてきました。 展示会用のモックアップだけでなく、実際に走行可能な試作車をつくり、公道での走行テストを通じてクルマを鍛えていきたいというニーズが高まっています。これは企業にとってもエンジニアにとっても、大きなチャレンジであり、成長のチャンスでもあります。


1. 保安基準適合という、高い壁

しかし、「公道を走らせる」というタスクには高いハードルがあります。まず試作車を製作してくれる企業は見つかっても、公道走行に必要な認証取得=保安基準適合まで対応できる企業は、OEMを除けばほとんど存在しません。

運輸局に相談に行っても、

「ゼロからの認証取得は過去30年でも1、2社しか実現していない」
「保安基準をすべて理解し、何百枚もの資料を揃えてから来てください」

と言われるなど、何から始めていいのか分からない状態に陥るケースが多いのではないでしょうか?


2. 突破するために必要な2つの要素

私自身、過去のゼロからのオリジナルカー開発では、色々な障壁にぶつかりながらも、認証取得をして量産するというゴールに到達することができました。その経験を通して、この壁(保安基準適合)を突破するには以下の2つの要素を掛け合わせることが欠かせないと気づきました。

保安基準を深く理解すること
✖️
クルマづくりのノウハウ・経験

走行試作車を作れたとしても、保安基準適合を考えずに作ってしまったらナンバー取得はできないし、保安基準の知識だけ持っていても、試作車や少量生産車の開発方法を知らなかったら公道を走行できる車にはなりません。

①と②の両方の知識・経験を活用しながら進めていくことが重要であることを、ご相談いただくお客様の事例を通しても痛感しました。


試作車を「公道で走らせる」という形に変えるために、保安基準とクルマづくりの両方の知識・経験を活用しながら伴走させていただくことを心掛けています。